VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

MENU

評論・エッセイ

一九六〇年、青年と拳銃 『拳銃無頼帖四 明日なき男』

赤木圭一郎の死によって四作で途絶した『拳銃無頼帖』シリーズを解読する片岡義男の眼は、この最終作に於いて、赤木圭一郎のライバルであり相棒を勤める宍戸錠の役割へと向かい、彼の背景を創作してしまいます。場当たり的なストーリーを批判しながら、それを否定せず、欠落を想像で埋めながら映画という装置の組み上げ方を解き明かす手際は、それ自体が小説のようにスリリングです。

初出:『一九六〇年、青年と拳銃』毎日新聞社 二〇〇八年
底本:『一九六〇年、青年と拳銃』毎日新聞社 二〇〇八年

このエントリーをはてなブックマークに追加