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評論・エッセイ

アメリカの食文化のなかでホイップド・クリームが占める重要な位置

 ホイップド・クリームは文化だろうか、あるいは文明だろうか、といま僕は考えている。栄養補給の手段のひとつとして、人間が牛乳を飲むという行為は、おそらく文明だろう。牛乳は、この地球上のどこでも、いちおう普遍的な位置に到達していると思っていい。しかし、その牛乳から作るホイップド・クリームは、いまのところまだ、特定の文化領域内にとどまっているようだ。
 アメリカの食文化のなかで、ホイップド・クリームは興味深い重要な位置を占めていると、僕はかねてより確信している。たとえばここにあるこの広告のようなイメージおよびありかたで、ホイップ…

底本:『シヴォレーで新聞配達──雑誌広告で読むアメリカ』研究社出版 一九九一年

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