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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

アメリカでアメリカ的な頭痛にみまわれたときの、よく効くはずの頭痛薬

 アメリカは頭痛の国だと、僕は子供の頃から信じている。僕の周辺にいた人たちの誰もが、なにかと言えば頭痛を訴え、そのたびに、たとえばアスピリンのような鎮痛剤を気軽に飲んでいたからだ。
 僕自身は、頭痛持ちではない。頭痛の記憶など、まったくない。比喩としての頭痛も、皆無に等しい。しかし、頭痛がする人に対する共感は、ごく普通には持ちあわせているつもりだ。
 医師の処方箋がなくとも買うことの出来る薬、あるいはそれに準じたものが、スーパーマーケットやドラッグ・ストアなどにはたくさんある。そのなかで頭痛薬は大きな位置を占め…

底本:『シヴォレーで新聞配達──雑誌広告で読むアメリカ』研究社出版 一九九一年

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