一本のキャンディ・バーが心の底につくるアメリカ的な共感
アメリカに昔からあり、およそどこでも買うことの出来る、たいへんにポピュラーなキャンディ・バー、スニッカーズの雑誌広告だ。
子供の頃、ぼくはスニッカーズのようなキャンディ・バーを、よく食べた。いまでも、一年に一度くらいは、自分で買って食べてみる。
スニッカーズとは不思議な名前だと、見るたびに思う。不思議といえば、マウンドという名前のキャンディ・バーもある。ペイデイ(給料日)という名前のもある。
「午後三時一分。夏の心地良いさまざまな音。冷蔵庫の開いたドア。冷やしたスニッカーズ。おなかが空いている…
底本:『シヴォレーで新聞配達──雑誌広告で読むアメリカ』研究社出版 一九九一年