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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

世界の各地はどこもみなエキゾチックか 真にエキゾチックなのは、自分だけではないのか

長編音楽評論『音楽を聴く』の第二部は、地方の商店街で見つけた小さなCD店で、李成愛のカセットテープを買うところから始まる。そうして歌謡曲を聴く片岡義男は、そこにエキゾチックを感じる。それは自分との距離であると考察した彼の思考は、敗戦直後の日本で作られていた、進駐軍の兵士たちによる日本の音楽の演奏をレコードにしたものへと続いていく。澄淳子による歌謡曲のジャズ化から、インドネシアの「ブンガワン・ソロ」へと、エキゾチックとは何かを追う彼の思考はワールド・ミュージックを経て、ハワイアンの記憶へと繋がっていく。ハワイのスティール・ギターの甘さ切…

底本:『音楽を聴く』(第二部)東京書籍 一九九八年

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