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評論・エッセイ

歌謡曲が聴こえる ジャズを歌ったLPが少なくとも二枚はある

『再会』『熱海ブルース』

歌謡曲がひとつだけあった

 ジャズのピアニストとして、ビッグ・バンドのリーダーとして、アメリカで活動を続けて来た穐吉(秋吉)敏子に『ジャズと生きる』(岩波新書 一九九六年)という著作がある。
 一九二九年に旧満州で生まれそこで育った彼女は戦後に広島へ帰国し、家族の事情で別府に住み始めた。進駐軍は別府にもいた。彼らの娯楽用として階級別に多くのダンスホールが生まれ、日本人たちのあいだでもダンスは戦後最初の流行となった。
 楽器の演奏が多少…

底本:『歌謡曲が聴こえる』新潮新書 二〇一四年

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