片岡義男の私と小田急 参宮橋のエルヴィス・プレスリー
テキサス州アマリロ出身の彼は、エルヴィス・プレスリーと生年そして生まれ月が同じだった。身長は同じで体つきは瓜ふたつ。したがって歩き方やふとした身のこなし、さらにはぜんたいにわたってかもし出される雰囲気など、エルヴィス・プレスリーそのものだった。
エルヴィスよりもやや鋭角的なのだが、顔立ちも気持ちが悪いほどに似ていた。くすんだ真鍮色の長めの髪を、エルヴィスをもしのぐ見事なダック・テイルにまとめていた。当時の日本ではこのヘア・スタイルをリーゼントと呼んでいた。
顔がここまで似ていると、声や喋り方がそっくりとな…
『おだきゅう』二〇〇二年一月号
前の作品へ
次の作品へ