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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

引き続き状況を見きわめる人

二〇〇三年十一月二十九日(*日付については、「まえがき」参照)

 陸上自衛隊の派遣に先行して、航空自衛隊と海上自衛隊をまずイラクへ派遣する、というアイディアが防衛庁から首相官邸に提示され、政府・与党はこの案を支持している、とする記事が十一月二十五日の新聞に出ていた。派遣の先送りを続けているとアメリカとの約束がいつまでも守れないことになる。それはなんとか避けたいけれど、いまのイラクにここなら安全と言える場所はもうないのだから、派遣に危険がともなうことはすでにはっきりしている。だから陸自はあとにして、ひとまず空自…

底本:『影の外に出る──日本、アメリカ、戦後の分岐点』NHK出版 二〇〇四年

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