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評論・エッセイ

政府が円を買うための巨額の円

二〇〇三年十一月二十四日(*日付については、「まえがき」参照)

 為替相場を少しでも円安のほうにとどめるために、日本政府は為替相場への介入を続けている。円を売ってドルを買う実務は、日銀が代理人となって引き受けている。日銀なら介入のための資金、つまり円はいくらでもあるはずだ、というわけにはいかない。無制限の介入や、そこから発生するかもしれない損失を回避するため、介入のためのドルを買う資金に関しては、借り入れというかたちでの限度額が設けられていて、この額は毎年の国会で承認を受ける。二〇〇三年度は七十九兆円だった。…

底本:『影の外に出る──日本、アメリカ、戦後の分岐点』NHK出版 二〇〇四年

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