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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

巨額の経常黒字というもの

二〇〇三年十一月十三日(*日付については、「まえがき」参照)

 GDPの十パーセントにあたる輸出産業を、為替市場への介入というかたちで税金を使って保護すると同時に、輸出という強い部分を保護することをとおして間接的に、国内を市場としている残りの九十パーセントを日本政府は守ろうとしている。こんなふうに書くと、輸出という生産力で自分のぜんたいを支えようとしている日本が、浮かび上がってくる。国際的な競争力のない産業の多くに、政府から保護策や補助金があたえられているのとおなじく、国際的な競争力のある輸出産業に対しても、…

底本:『影の外に出る──日本、アメリカ、戦後の分岐点』NHK出版 二〇〇四年

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