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評論・エッセイ

日本の主体的判断と国益

二〇〇三年十月二十日(*日付については、「まえがき」参照)

 フセイン政権を倒すためにアメリカがおこなう軍事行動への支持を表明したとき、うちは賛成です、と言っただけですむとは、日本の首相も思ってはいなかったはずだ。考えに賛成してそれを支持したなら、次の段階では行動をともにすることを厳しく求められる。その厳しさがどんな状況の中でどのくらいのものとなるかに関しては、首相の認識は相当なところまで淡いものだったのではないか、と僕は推測する。かねを食うんだよ、それに人手も足らないし、とアメリカの大統領から念を押されたと…

初出:ウェブサイト『先見日記』NTTデータ 二〇〇三年十月二十一日
底本:『影の外に出る──日本、アメリカ、戦後の分岐点』NHK出版 二〇〇四年(『先見日記』を一部加筆訂正)

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