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評論・エッセイ

庭にあらわれた猫

ある日あるとき、庭に一匹の雌猫があらわれた。どこかの庭猫だったのではないか。人になぞらえると三十代のなかばあたりか。姿の良い、賢く観そうな顔をした、ものに動じることのない、よく心得た猫だった。

底本:『自分と自分以外──戦後60年と今』NHKブックス 二〇〇四年

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