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評論・エッセイ

移民の子の旅 最終回 プリンセス・カイウラニはいかがですか

 ハワイの砂糖耕地の経営者たちが欲しがっていたのは、奴隷にちかいような労働者だった。家族持ちはなにかと費用がかかるしやっかいなので、独身の男性が望まれた。契約の期間だけ労働したならば、自前で故国へ帰り、それと入れちがいに、まったくおなじような奴隷的な労働者がやってくるのが、砂糖耕地の経営者たちにとっては、いちばん望ましかった。
 労働者たちが有色人種であるならば、その監督官は白人にするのがもっとも有効だと、経営者たちは経験から知っていた。なれあいが防げるからだ。
 ハワイ原住民たちは、労働力としては安く手に入る…

『ミステリマガジン』一九七六年七月号

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