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評論・エッセイ

移民の子の旅 11 シュガー・タウンへの道

 砂糖キビはハワイに大量に野生していた。
 この砂糖キビをつかって砂糖をつくろうというこころみが、十九世紀のはじめから、何度もおこなわれてきた。
 精糖の技術はまだごく初歩的な段階だったけれども、ハワイの砂糖は、アメリカの西海岸で商品として売ることができたのだった。
 年に十二パーセントの利子でハワイ政府からおカネをかりて、砂糖産業への投資がおこなわれていった。
 ハワイでなにかを生産し、それをアメリカで売って利益をあげるなら、砂糖をおいてほかにない、という事実はすでにはっきりと見えてい…

『ミステリマガジン』一九七六年六月号

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