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評論・エッセイ

移民の子の旅 9 南海の楽園をめざして

 一八四七年に、アメリカの西岸、カリフォルニアで黄金が発見された。ゴールド・ラッシュがひきおこされ、人が西へむかって大きくはげしく動いた。
 カリフォルニアでとまりきらず、海をこえてハワイまで人が押しよせてくるのではないのかと、ホノルルに駐在していたイギリス総領事が心配していた。
 一八四〇年代後半のハワイでは、カリフォルニアから大挙してやってくる人たちによって王国がまもなくくつがえされるのだという噂が断えなかった。
 ホノルル港に入港した船から降りた船員たちによる暴動や反乱のまねごとのようなことが…

『ミステリマガジン』一九七六年四月号

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