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評論・エッセイ

移民の子の旅 8 「国家の生命は正義の前に不滅である」のか

 タブーの制度を全廃にしたハワイの社会は、そのときから、じつに多難な近代史のなかを歩みはじめることになった。アメリカの第五〇番目の州となるまで、その多難な歴史はつづいていった。
 日本からの労働者移民がハワイに来たとき、ハワイの社会はいったいどのような状態にあったのかをはっきりさせるのが目的で、ぼくはハワイの歴史をその創世伝説から書いているわけだ。
 ハワイ近代史の推移の、こまかな事情を書きつらねるのが目的ではない。だから、ハワイのタブー制度がなくなったあくる年、一八二〇年から、できるだけ手みじかに、ハワイ社会…

『ミステリマガジン』一九七六年三月号

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