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評論・エッセイ

僕はバラッドに徹しよう 3 雨の夜の、急な階段

路地の十字路の角にある建物の、角に面したまさに角の部分に、人がひとりやっととおれるほどの幅で、二階へ階段がのびていた。ほとんど垂直と言っていい、傾斜の急な階段だった。階段を上がりきると小さなバーのドアがあった。ある日の夜、年上の知人が、このバーへ僕を連れていってくれた。

『一個人』二〇〇一年八月号

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