僕はバラッドに徹しよう 1 いきつけの喫茶店
神保町の路地のなかほど、間口は入口のドアひとつぶんしかないような、席の数はせいぜい二十、奥に向けて細長いスペースだった喫茶店の名前を、僕はとっくに忘れている。初老の店主とひとりだけウエイトレスがいて、この女性がたいそう好ましい存在だった。
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神保町の路地のなかほど、間口は入口のドアひとつぶんしかないような、席の数はせいぜい二十、奥に向けて細長いスペースだった喫茶店の名前を、僕はとっくに忘れている。初老の店主とひとりだけウエイトレスがいて、この女性がたいそう好ましい存在だった。
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