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評論・エッセイ

アーバン・カウボーイとすれ違った男 昨日とおなじに

窓から風が吹きこんできた。春の風だ。冷たさがほんのりと残っているが、肌に触れるときの感触や香りは、春のものだ。この寝室は、北側をのぞく三つの壁に窓がある。真冬の、ごく寒いときでないかぎり、窓は開けたままだ。風を感じつつ眠る心地よさを知ってしまうと、窓を閉じて眠ることなんて、とうていできない。

『GORO』一九八二年四月八日号

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