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評論・エッセイ

アーバン・カウボーイとすれ違った男 不毛の二時間

二十五メートルは泳げると彼女は言っていたが、水に入ってくるときの動作や雰囲気だけ見ていても、すこしも泳げないのだということは、すぐにわかった。体がぜんぜん水に浮かないのだ。二時間かけて、なんとか体を水に浮かすことができるようにしてあげようと思って、ぼくはがんばった。が、ついに駄目だった。

『GORO』一九八二年二月二十五日号

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