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小説

花柄を脱がす

高村初音は、二十八回目の誕生日に、近所の商店街にある洋品店で見つけた薄手で花柄のシャツを、しばしの逡巡を経て購入します。それを着た初音を見た友人の写真家、河原直樹は、そのシャツを着た彼女と、そのシャツにひとつのインスピレーションを得ます。二人の花柄のシャツに対する感覚を元に、シャツが似合うこと、着られたシャツに残る夏の痕跡とは何かが鮮やかに描写されます。

初出・底本:『短編を七つ、書いた順』(3として所収)幻戯書房 二〇一四年

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