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小説

春はほろ苦いのがいい

コミックス作家の杉本エリナは、コーヒー店のカウンターで、店主の中村美砂子に促されるままに、自分の両親がそれぞれ再婚する話をします。その時に美砂子が言った「ほろ苦いわ」という言葉を吟味したエリナは、そこからコミックスの連載タイトルを思いつきます。パートナーの編集者、中原美雪と共に、美砂子をモデルにしたストーリーを検討しているうちに、会話はもう一つの「春のほろ苦さ」へとスライドしていくのです。

初出:『文藝』二〇一七年秋号
底本:『くわえ煙草とカレーライス』河出書房新社 二〇一八年

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