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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

日本がまだまともだった頃の本を

太平洋戦争の敗戦後から昭和35年くらいまでの期間にかけての日本で出版された単行本を、僕はかなり好いている。本として持つべき要素はすべて持っていて、しかもぜんたいはきわめて簡素であり、その簡素さは不足や貧しさを感じさせることなく、むしろその逆に、これで充分ではないか、と言いたいほどの自己完結性がある。

底本:『昼月の幸福──エッセイ41篇に写真を添えて』晶文社 一九九五年

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