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評論・エッセイ

美しい顔は物語として読める

美人は物語の要素をすべて持っている。どんなふうにでも意味を読むことが出来るほどの、ぜんたい的なまとまりと美しさ。人々は現実という断片を断片のままにしておくことが出来ない。断片のなかから取捨選択し、なんとか自分好みの物語に仕立てたいと思い、そうする。したがって美人は、多くの人に読まれる運命にある。

底本:『昼月の幸福──エッセイ41篇に写真を添えて』晶文社 一九九五年

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