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評論・エッセイ

もっともスリルに満ちた主題―それは結末というもの

結末が主題の、ある映画について。前半、この映画はゆっくりと進んでいく。後半に入ると省略が多くなり、加速していく。結末というものが持つ牽引力は、物語の進展を加速させて当然だ。撮りかた、撮ったフィルムのつなぎかた、そして音楽の重ねかたなど、すべての点においてこの映画は、正面から端正に正解をとらえている。

底本:『昼月の幸福──エッセイ41篇に写真を添えて』晶文社 一九九五年

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