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小説

グッドラックとしか言いようがない 蛇の目をさす彼女

「今日は、恭子さんの誕生日ですね」「そうよ」「プレゼントが、買ってあるのです」信号が変わった交差点を渡りながら、祐司がそう言った。「ホテルのクロークに預けてあります」ふたりは恭子が泊まっているホテルまでもどった。「なにが入ってるの?」箱の一端を、恭子は開いた。なかの蛇の目は、薄い紙の袋に入っていた。

底本:『マガジン・ノン』一九八五年五月号

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