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小説

グッドラックとしか言いようがない 文庫本を読む彼女

中野裕司は、大学の先輩の大塚という男性と、バーで待ち合わせをしていた。約束の時間を過ぎても、大塚はまだあらわれない。カウンターの向こうから、ホステスがひとり、ゆっくり歩いて来た。カウンターをはさんで彼の正面に彼女は立ち、裕司に向かって淡く微笑した。彼女の名は、柴田京子というのだった。

底本:『マガジン・ノン』一九八五年三月号

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