自分が書いた短編小説の題名を列挙する、という試みだ。出来るだけ時間順に列挙してみた。列挙されると、それを観察することが出来る。観察していると、さまざまな感想を得るはずだ。その感想のなかに、僕がかつて短編小説の題名として使った言葉が、ごく短い時間、よみがえる。題名だけを作っていくことも可能だろう。

底本：『現代詩手帖』二〇一九年三月号