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評論・エッセイ

記憶を撮る 6 懐かしい故郷の景色とは

故郷はどちらですかと訊かれたら、それは東京です、と答えるほかない。いま少しだけ正確にすると、僕の故郷は東京の住宅地です、ということになる。東京という故郷の記憶は、住宅地という現場にある重さの記憶なのだ、と言ってみよう。住宅地のなかの道を写真に撮ることを通して、僕は自分の故郷を確認しているのだろうか。

底本:『日本カメラ』二〇〇六年六月号

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