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評論・エッセイ

記憶を撮る 4 陽ざしと板壁のあいだを

東京の板橋で、僕は午後の陽ざしを受けとめている板壁を写真に撮った。40年くらい前までは日本のいたるところにあった、珍しくもなんともないものだ。だが、この写真を撮ったとき、その陽ざしと板壁とのあいだに、幼年期から青年期の終わりまでの期間の、さまざまな自分を僕は見たのではなかったか。その記憶のぜんたいを。

底本:『日本カメラ』二〇〇六年四月号

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