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小説

一昨日

【短編小説の航路】キャバレーの舞台に立つ芸人たちに会いに来た女性作家、それぞれの一昨日とは。

30歳になったばかりの作家西野恵子は、4歳年上の貝殻一郎というペンネームの作家に誘われて、キャバレーの舞台に上がる芸人たちに会うため浅草に行く。貝殻一郎はその芸人たちの世話を伯父から頼まれている。ストリッパー、ピアノの弾き語り、マジシャンの3人は、みな中年以上でそれぞれに特徴がある人たちだ。ストーリーのなかほどで、最年長のマジシャンが自分の今日の体験を「一昨日きやがれ、てなもんだよ」と言いあらわす。それを聞いた西野恵子は、結婚を申し込まれて断った自分の一昨日を「遠い過去」の出来事として思いおこす。

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