VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

MENU

小説

投手の姉、捕手の妻

2008年刊行の短編集「白い指先の小説」の掉尾を飾るこの作品は、作家の北原三枝子が、好きなプラモデルを買うために訪れた模型店で、大学の同期だった写真家の田中治男と出会うところから始まります。その出会いがきっかけとなって、その模型店に展示された様々な日本の風景のジオラマを見た三枝子は、夏の午後の校庭の風景を象った模型に心を惹かれます。ジオラマに置かれたバッテリーの二人がその学校の野球部OBらしいことに気がついた彼女は、そこから物語を想像します。想像が小説になっていく思考の過程を描いた小説なのです。

底本:『白い指先の小説』毎日新聞社 二〇〇八年

このエントリーをはてなブックマークに追加