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小説

冷えた皿のアンディーヴ

この作品が収録されている短編集「白い指先の小説」(2008年)は、小説を書く女性の物語が並びます。ここでの主人公は作家の神崎梨々子。彼女は、〆切が迫る短編の構想を得るために、友人の写真家、芹沢夏彦と街を歩きます。かつて芹沢の友人の写真家が撮った、一枚の風景写真を核にプロットを考える彼女の思考と、芹沢との会話が並行して書かれ、彼女の中で物語が出来上がるまでのお話であり、それは、小説はどのようにして出来上がるのかについての小説です。片岡義男作品にままある、唐突なタイトルにどういう意味があるのかも分かる仕掛けになっています。

底本:『白い指先の小説』毎日新聞社 二〇〇八年

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