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小説

白い指先の小説

2008年刊行の短編集「白い指先の小説」の表題作には、小説を書きたいと考える三人の女性が登場します。その三人と出会う写真家の柳原修平の目を通して描かれる彼女たちは、それぞれ経歴も職業も違いますが、本が好きで、書きたいという思いは共通しています。そして、三人ともそれなりに出版社との繋がりもあります。柳原の目に映る彼女たちの指先は白く、そこから紡がれるであろう物語に期待を感じます。そして、その内のひとりが作家デビューを実現するのですが、では何が他の二人と違ったのか、片岡義男の筆はそこを冷徹に描きます。

底本:『白い指先の小説』毎日新聞社 二〇〇八年

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