VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

MENU

評論・エッセイ

人生のすべては母国語のなかにある

日本語には質的に英語のIとYOUに等しい言葉はない。日本語世界での言語活動は、自分にとっての利害調整を中心にした対人関係に常に則っている。つまり、主観に奉仕し、客観をめざさない。その結果、人間というものに関するさまざまな理解が深まらない社会が出来上がった。日本人は、言葉などどうでもいいと思っているのだ。

底本:『日本語の外へ』角川文庫 二〇〇三年
『日本語の外へ』筑摩書房 一九九七年

このエントリーをはてなブックマークに追加