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評論・エッセイ

いくつかの海岸、というタイトルの長編小説。海岸は砂の落ちきることのない、巨大な砂時計

『いくつかの海岸』という長編小説を、期待をもって手に取った。聖域としての海、そして海岸が、主題のための背景となっているのだろうか。あるいは、いくつかの海岸とは、ひょっとしたら、比喩としての巨大な砂時計かもしれない。その砂時計がすべて落ちきったときに、主人公たちのドラマもまた終結する、というような。

底本:片岡義男エッセイ・コレクション『本を読む人』太田出版 一九九五年
『水平線のファイル・ボックス 読書編』光文社 一九九一年所収

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