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評論・エッセイ

すこしだけ他人のように。だから大部分は、すでに他人ではなく

エミリー・リストフィールドの『すこしだけ他人のように』という小説タイトルは、大部分はすでに他人ではないのだ、という意味を暗示するのだろうか。ファミリーがひとつ、新たに出来ていきはじめるときの、いちばん発端の部分を、作者はディテール豊かに、それゆえにやや退屈に、描いている。

底本:片岡義男エッセイ・コレクション『本を読む人』太田出版 一九九五年
『水平線のファイル・ボックス 読書編』光文社 一九九一年所収