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小説

寝室には天窓を

シチュエーションや男女の関係は、短編集「物のかたちのバラッド」所収の『いまはそれどころではない』とほぼ同じく、高校時代から憧れていた親友の母親と親密になっていく新聞社の写真部に勤める男性の物語だ。しかし、その魅力的な女性を撮影するように描写する前者とは違い、この物語は、その関係性そのものと、それによって作られる未来について書かれている。同じシチュエーションが、どれくらい違う小説に仕上がるのかを楽しむと同時に、女性と過ごす時間のある種の理想が描かれた、未来のための物語も味わえるだろう。

『七月の水玉』文藝春秋 二〇〇二年六月
初出:「文學界」 二〇〇一年九月号

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