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小説

写真家がすべてを楽しむ

写真家の田島は、高校時代からの付き合いで、ずっとその姿を写真にとり続けている西本恵子の家を訪ねる。空手とヨガのインストラクターから30歳を過ぎてコミック作家へと転身した彼女は、ひねりの効いた男女の関係を描く作家だが、全てフィクションであり自分の体験を描くことはないと言う。田島は、女優である彼女の母親について語る、彼女と多くの作品で組んだ監督の言葉や、彼女自身のインタビューを思い出す。それらも「いかに作るか」という話だ。作られた彼女と、そこにいる彼女、写真家の田島は、その両方を見ているのだ。

『七月の水玉』文藝春秋 二〇〇二年六月
初出:「文學界」 二〇〇一年五月号

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