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小説

彼女が謎だった夏

美大の写真科の学生、原田裕介は担当教授に彫刻家の長谷川を紹介される。彼は原田が入学以来3年間、写真を撮り続けた、学内にある女性像の作家だった。原田は、その女性像のモデルを二十年前に務めた女性が、今は近くの喫茶店をやっていると教授に教えられ、その女性、藤森直子に会いに行く。そして原田は1966年の東京をのひと夏を背景に、直子の写真を撮っていく。写真は被写体の魅力をその通りに他人に伝えるためのものだと考える原田と、彼の写真の被写体となった直子。ひと夏の撮影の終わりは、次の新しい物語の始まりでもある。

『七月の水玉』文藝春秋 二〇〇二年六月
初出:「文學界」 二〇〇一年三月号

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