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評論・エッセイ

木こりたちよ、その樹を切るな

海岸から少し小高くなった丘のうえに、その樹は立っている。大きな樹だから、七十年や八十年はたっているだろう。その樹影のなかに、いまぼくはすわって海をながめている。全身で樹影と会話しながら、ぼくはふたつのまったく異なった世界を自分のなかで想像体験している。その世界とは……。

底本:『町からはじめて、旅へ』晶文社 二〇一五年改版(一九七六年初版)
初出:『宝島』一九七六年三月号

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