VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

MENU

評論・エッセイ

消すことによって生まれる新たな可能性

消しゴムは間違えて書いたものを消し去る道具、と考えるのは不毛の極みだ。消しゴムは、実は、まったく新たな可能性、というものの権化なのだ。正しくないもの、不充分なものなどを消し去ったあとには、広大な可能性の地平が出現している。しかし多くの人はその事実に気づいていない。消しゴムは、その全体が、可能性なのだ。

底本:『なにを買ったの? 文房具。』東京書籍 二〇〇九年

このエントリーをはてなブックマークに追加