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評論・エッセイ

短くなった鉛筆はすべてタリスマンだ

短くなった鉛筆をどうするか。タリスマン(お守り)としていつも持ち歩くのがよい。その際には補助軸に逆さに差し込めばそれが保護軸にもなる。さらに削り器と消しゴムが一体化されていれば一層楽しい。かつて持ち歩き用の鉛筆は手帳用の細いものが主流だった。紐つきのものであれば、手帳のしおりにもなる。鉛筆としおりとの、何の無理もない合体という、世界にも類のない実例だ。

底本:『なにを買ったの? 文房具。』東京書籍 二〇〇九年