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書評

球場の書店に寄る 7 野球小説──すばらしき題材

野球に材を取った小説は日本には少ないのではないだろうか。フィクションを組み立てる材料として、野球ほど面白いものはないのに。一方アメリカでは野球小説は一つのジャンルとして確立している。『野球、そして人生のゲーム』(1990)には15の短編が収録されているが、例えば「マスタードが足りない」のようにヤンキー・スタジアムの売店で買って食べるホット・ドッグのマスタードから、ひとつの短篇が成立していく様子のなかに、リング・ラードナー以来のアメリカ口語一人称による野球物語が堪能できる。

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