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評論・エッセイ

チャイナ・タウンへの坂道

かつて、ホノルルのチャイナタウンで、ぼくはなにかのきまぐれから、質流れ品店のような店で、骨董品じみたタイプライターを一台、買った。実用価値はほとんどないが、ぜんたいのかたちや質感が古い時代のアメリカを感じさせ、そこにすこしひかれたのだった。大事そうにかかえて帰ろうとするぼくに、中国系の店主は……。

底本:『コーヒーもう一杯』角川文庫 一九八〇年

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