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小説

撮られた人の行方 17 短編集のなかの性的情緒

性的な文脈の中での写真表現

 長編小説「撮られた人の行方」は、第13回『俯瞰するひとときのコピ・バリ』で、第一部が終わり、ノンフィクションのための取材の物語は、様々な「撮影される性的情緒」の物語へと推移していきます。今回は、作家村崎久美子がデビュー作として構想中の物語たちについてのお話です。性的な文脈の中での写真表現は、それを撮り撮られる人たちの物語になりました。だから久美子は、短編集とは別に、親友であり彼女の被写体であり性的なパートナーでもある恵子の人生の物語を、長編小説として構想します。写真がまた新しい物語を生むのです。

底本:『MEN’S EX』一九九五年九月号

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