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小説

撮られた人の行方 11  美術館の庭でひとめ惚れ

その本を作るために彼女に上京を勧めた高倉は次の取材へ向かいます。

 前回に引き続き、ノンフィクション作家の高倉健二は、高知の美術館のカフェで、彼が100冊のヌード雑誌から選び出した女性の、その二十年後の姿を前にしています。写真について、その彼女、高村ルミ子と話した後に続くのは、ルミ子自身の物語です。高倉は、彼女にインタビューをしていく内に、彼女に惹かれる自分を自覚し、同時に彼女で一冊の本を作りたいと考えます。それは、進めている「性的な文脈の中で使用される写真」についての本の代わりにしても良いと思うほどの欲求です。その本を作るために彼女に上京を勧めた高倉は次の取材へ向かいます。

底本:『MEN’S EX』一九九五年三月号

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