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片岡義男.com 全著作電子化計画

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小説

ボックス・セット

画家の才能と仕事と自分を描くということ。

 自分に関する依頼について考えることがひとつのテーマとなっている作品たち。今回は、何でも描ける若い画家が主人公です。365枚の海の絵がボックスセットになっているものを作りたいという依頼に対して、365枚は多すぎるので100枚でどうでしょうと、彼女は提案して、その100枚をあっという間に描き上げてしまいます。彼女に依頼した画材店は、それをシリーズ化して売り出すことにして彼女にも新作を依頼します。画家の才能と仕事と自分を描くということが、2000文字足らずの短い小説の中に描き尽くされています。

底本:『NALU』68号 二〇〇九年一月

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