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小説

ハレイワを振り返る

この物語の語り手である「僕」は、必ずしも片岡義男本人であるとは限らない。

この掌編は、ハワイ、ハレイワで生まれた「僕」の父親の知人一家の思い出を描いたものです。静かに綴られる戦争の悲劇と、戦中戦後をハワイで暮らした日系人たちの心持ちは、エッセイではなく小説として書くことが正しいと片岡義男は思ったのでしょう。だから、タイトルはハレイワの思い出を振り返った話というだけではなく、文字通り、ハレイワを振り返って見る、その視線と風景を意味しています。そして、この物語の語り手である「僕」は、必ずしも片岡義男本人であるとは限らないのです。

底本:『NALU』60号 二〇〇七年九月

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