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小説

雨よ、降れ降れ

雨は降り続け、舞台を東京に移し、この長めの短編小説は更に転がっていきます。

 梅雨前線に沿って列島を縦断しようとする台風が接近する中、妹に頼まれて大きなぬいぐるみを受け取るために松江に来ていたミュージシャン上がりの役者、川瀬哲也は、同じ役者仲間でカメラマンの大島康行を松江駅前で拾い、台風に追いかけられる形で、大雨の中、東京へと車を走らせます。途中で食事を取り、宿泊するホテルでぬいぐるみの箱を開けてみると、そこにあるのは、実物の女性を超えるほどの出来の、しかしウレタンと麻で作られた等身大のぬいぐるみでした。雨は降り続け、舞台を東京に移し、この長めの短編小説は更に転がっていきます。

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